AIによる産業オペレーションの革新
ALGO ARTISは、非常に複雑な産業の現場に向けた、AIによる計画最適・意思決定支援ソリューションを展開しています。グローバル規模で業務計画領域に変革を起こそうとしている同社のシリーズBを、Salesforce Venturesがリード投資家として支援できることを大変光栄に思っています。 事業機会 エネルギー、製造、化学、物流といった世界の基幹インフラ産業は、「業務計画(オペレーショナル・プランニング)」によって支えられています。発電所、石油化学施設、海運会社などの熟練したエンジニアたちは、日々、何百もの相互に関連する変数が絡み合う複雑なスケジュールを、手作業で組み立てています。これらの計画が成功するか失敗するかによって、大規模な利益の差が生じる可能性があります。 AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進歩しているにもかかわらず、こうした極めて重要な計画業務は、依然として頑なに手作業のまま残されています。現実の運用上の制約は非常に多く、また施設ごとに固有であるため、スプレッドシートや一般的なスケジューラー、既存の最適化プラットフォームといった従来のツールでは、そのすべてをカバーすることが到底できません。その結果、最も重大なオペレーション決定のいくつかが、いまだに一部のレガシーなツールやワークフローに依存しており、知識の属人化や熟練技術者の引退に伴う労働力不足といったリスクを生み出しています。 ソリューションALGO ARTISは、極めて複雑な産業オペレーションに特化した、AIネイティブの計画DXソリューション「OPTIUM(オプティウム)シリーズ」を開発しています。難しい制約条件を簡略化したり見落としたりしがちな従来のツールとは異なり、OPTIUMは各クライアントのオペレーションを隅々までモデル化し、実用的な時間内に最適な計画を生成します。これにより、作業者の時間と労力を大幅に削減しながら、より迅速で質の高い意思決定が可能になります。 ALGO ARTISを際立たせているのは、その「統合の深さ」です。OPTIUMは、配船計画、生産計画、在庫の最適化、物流計画までを網羅しています。さらに、各クライアントの運用ロジックに合わせてカスタマイズされ、実際に施設を運営する現場の人々が使いやすいインターフェースで構築されています。その結果、実際の運用環境において、真に受け入れられ、信頼される意思決定プラットフォームとなっています。 この製品の核心にあるのは、緻密に設計された人とAIの協調モデルです。アルゴリズムによって客観的に解決可能な複雑な要因の組み合わせはOPTIUMが処理し、戦略的なトレードオフを伴う判断には人間の意思決定を残しています。AIとオペレーターはインタラクティブに協働し、あくまでオペレーターが主導権を握り続けます。 ALGO ARTISを支援する理由ALGO ARTISは、極めて緻密なエンジニアリング力と、産業オペレーションの現場に対する深い当事者意識、そして日々の現場運用に耐えうる頑健なソフトウェアの開発実績を兼ね備えています。 2021年7月にDeNAからのスピンオフとして設立された同社のチームには、世界トップクラスの実績を持つ競技プログラマーたちが名を連ねています。彼らは、グローバルな大会を制するのと同じ高度なアルゴリズム的思考力を、業界が何十年もの間解決できなかった難題の克服へと注ぎ込んでいます。 さらに、この市場には莫大な機会が存在します。日本のインフラおよび重工業セクターは、大規模な運営コストを費やしており、その大部分は業務計画の質によって左右されています。すでに、関西電力、コスモ石油、日本製紙をはじめとするエネルギー、化学、製造、運輸のリーディングカンパニーがALGO ARTISに信頼を寄せています。同社システムの導入によってもたらされる価値は、非常に大きな規模のコスト削減やリスク低減にのぼり、製品がいかに基幹業務へ深く組み込まれているかを物語っています。また、単なる効率化にとどまらず、エネルギーやその他の産業セクターにおけるCO₂排出量の削減に貢献し、脱炭素化の推進においても重要な役割を果たしています。 私たちは、ALGO ARTISが汎用性・再現性の高いソリューションの製品化・提供に向けて確実に歩みを進めていることにも大きな期待を寄せています。化学、製薬、自動車業界向けの生産計画や大日程計画を皮切りに、今後はさらに幅広い産業へとその影響力を拡大していくでしょう。 今後の展望複雑な産業オペレーションの最適化という課題は、日本特有のものではありません。発電所、石油化学施設、そして物流ネットワークは、世界中で全く同じ計画立案のプレッシャーに直面しています。そして、ALGO ARTISがターゲットとしている広範なセクターにおいて、大規模に導入・展開されている計画最適化プラットフォームを構築できた企業は、グローバルでもまだ存在しません。 私たちは、このシリーズBラウンドにリード投資家として参画できること、機関投資家系ファンド、ジャパン・コインベストメント4号投資事業有限責任組合(三井住友トラストインベストメント)や、既存株主であるUTEC、DeNA、K4 Venturesとともに、社会の運用基盤を変革するALGO ARTISの挑戦を支援できることを誇りに思います。同社の成長を加速させるために、Salesforceのグローバルなエコシステムを総動員してサポートできることを楽しみにしています。 Salesforce Venturesへようこそ、ALGO ARTIS!
製造業向けサプライチェーン・インテリジェンス
概要 Resilireは、製造業向けにAIを活用したサプライチェーン・リスク管理プラットフォームを提供しています。Tier 2(二次取引先)以降を含むサプライヤーネットワークの可視化、リアルタイムでのリスクイベント監視、コンプライアンス報告の一元化を実現しており、参加する製造企業やサプライヤーが増えるほどネットワーク効果が深まる構造を持っています。規制強化や顧客導入の追い風が強まるなか、Salesforce VenturesはDNX Venturesと共に、日本の製造業分野における主要なAIネイティブなプラットフォームとしてのResilireのポジションを支援すべく、同社の資金調達ラウンドを共同リードしました。 事業機会 日本の製造業は、数十カ国・数千のサプライヤーに及ぶ世界で最も複雑なサプライチェーンを運用しています。しかし、大半の企業はTier 1(一次取引先)を超える領域のリアルタイムな可視性を欠いています。地政学的リスクの高まりや新たな規制の導入に伴い、この盲点は経営陣が直接取り組むべき課題へと進化しました。日本政府がサプライチェーンに関する新たな開示・報告基準の策定を進める一方で、それを支えるインフラはまだ存在していません。 ソリューション Resilireは、製造業向けに特化して設計されたAI搭載のサプライチェーン・リスク管理プラットフォームを提供しています。以下の3つのコア要素が連動して機能します。 Resilireの構造的な差別化要因は、そのネットワーク効果にあります。新たな製造企業が参画するたびに、そのサプライヤー情報もプラットフォームに追加され、共有データインフラとしての価値が累積的に高まります。導入企業からは、インシデント発生時の影響評価に要する時間が、Resilire導入後に約3分の1に短縮されたという報告が寄せられています。これは、受動的な対応から予防的な調達戦略への転換を意味しています。 Resilireを支援する理由 創業者である津田裕大氏は、キャリアの初期に西日本豪雨を経験したことをきっかけにResilireを設立しました。「サプライチェーンの脆弱性は、データを活用して解決すべきインフラの課題である」という彼の信念は、創業以来一貫しています。 この信念は、顧客基盤の質にも表れています。自動車、化学、製薬、重工業など、日本を代表する製造業の最大手企業が幅広くResilireを導入しています。これらの導入は単なる実証実験(PoC)にとどまらず、ミッションクリティカルな業務における本格的な活用へと移行しています。 Resilireが非常に強固なポジションを確立している理由は3つあります。 今後の展望 サプライチェーンのリスク管理と安定化は、単なる業務改善の域をはるかに超え、企業経営の中心的な課題となりました。Resilireはその最前線に立ち、日本の産業基盤の安定性を確保する象徴的なスタートアップとして業界を牽引しています。 Salesforce Venturesは、DNX Venturesと共にこのラウンドを共同リードできることを誇りに思います。 Salesforce Venturesへようこそ、Resilire!